なんとなく不調を感じていませんか
日本は季節の変わり目が4回あり寒暖差や気圧の変化が激しくなりますが、それに加えて近年ではゲリラ豪雨や大型台風など、ポイントポイントで気圧が大きく変化する日があります。
こういった気圧の変化が激しい時に体調不良を感じることがあり、気象病や気圧病と呼ばれ人では近年ようやく理解されてきました。原因は気圧の変化による自律神経系の乱れにあると言われています。
そしてこういったことは動物にも当然あるはずだと思います。でも自覚症状でしか訴えられない気象病は、モノを言わない動物では診断することができません。
気圧病の代表的な症状の偏頭痛や耳鳴り、めまいなどは見た目ではわからないので、これらの症状があって不調をきたしていても、動物の場合はあらゆる検査をして他の病気を除外するくらいしかなく、それでも診断には至りません。
たいていはなんとなく元気がない、隠れている、震えて甘えてくる、いきなり怒りだすなど漠然とした症状です。時に嘔吐や下痢、食欲不振などがみられることもありますが、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などをしても特に異常がないためどうしていいのか困ってしまいます。
ただグッタリしたり緊急性を感じるようなほどではないことがほとんどで、よくよく考えてみると昨日まで暑い日だったのが急に寒くなったとか、午前中は豪雨だったのが急に晴れたなとか(その逆も)、やたら風が強い日だとか、そんな日にこういう漠然とした症状の子が来院することが多いような気がします。
もちろん何か大きな病気が隠れている可能性もあるので、安易に「気象病だ」と決めつけてしまわないようにすることも大切です。
便利なアプリも
持病がある人、動物はこういった季節にもとの病気が悪化したり、再燃したりすることもあるためとても注意が必要な季節です。代表的な病気は腰痛や膝痛など関節痛、腹痛、椎間板ヘルニア、膵炎、喘息、自律神経失調症、うつ病などがあるかと思います。
自律神経系が乱たり、めまい、重度の偏頭痛などで嘔吐や下痢などの胃腸炎が二次的に起こることもあり、犬猫でもこの季節にみられる原因不明の胃腸炎の中にはこういったものが潜んでいるかもしれないと思っています。
猫では嘔吐を繰り返すことで膵炎を発症しやすいので、頻繁に吐く場合には必ず動物病院を受診してください。
そしてここ数週間は、ソファの下に隠れる、何かに怯えてすがってくる、いつもと違う行動をするというような症状で来院し、病院で診察しても特に異常がないという症例がちらほらいます。当院のスタッフのワンコも何度か同じ症状がみられていて、でも翌日になるとケロっとしていたりとか、ひょっとして気圧病??と疑っています。
気象病は気圧の急激な変化が原因なので、低気圧が通り過ぎるときや等圧線が狭いところの下に入ったとき(風が強い日)は要注意です。
こういう日は出かける予定を中止したり、無理な運動をしないようにしたり、慣れないものを食べないようにしたりなど、できるだけ休息日にするほうが良いと思います。
気圧の変化をキャッチして注意を促してくれる「頭痛ーる(ずつーる)」というアプリもあるので、ある程度の心構えになったりしますからぜひ活用してみてください。