節目の日でした
本日4月23日は病院開業15周年の日でした。
2008年2月22日に往診専門病院として、軽自動車に載せられるものを乗せてできることから始めようと独立しました。
同年4月にねこのきもちの編集者さんが、つたない手作りホームページを見つけてくださり、雑誌掲載をしていただいて、お陰で猫の飼い主さんから往診のご依頼をたくさん頂きました。
でも往診ではレントゲン検査や手術など他院にお願いしなくてはならないこともあり、1年ほどたったとき、とある患者さんの診察がきっかけでとても悔しい経験をしたため、2009年に現在の宮前に開業する運びとなりました。
そして本日15周年を迎えました。
大学の先生や先輩、同級生などたくさんの方々の助言、そして何よりも両親の経済的な援助があって今の病院があり、私がいます。
ねこのきもちの編集者の方々には現在でも監修のお声がけを頂きお付き合いさせて頂いているのも大変便利光栄なことです。
そして今日もいつもどおり変わらず診察をさせていただきましたが、こんなに頼りなく、自信のない獣医についてきてくださる皆様には感謝しかありません。
誰でも特別扱いにする、という気持ちをモットーに、自分の子だったらとうする?という思いでやっていますが、でも考え方は人それぞれ。
飼い主さんが何を望むのか、動物たちが何を望むのか、それを見極めるのはとても難しく、もちろん私の考えと合わなかった方もいらっしゃいます。
恐らく何年たっても完璧に納得いく診療はできないだろうと思いますが、だからこそそれを教訓に次こそは少しでも喜んでもらえるようにと続けていくのがこの仕事だと思います。
昔、先輩が「完璧に満足できる治療ができたら獣医を辞める時だ」と言っていました。
その先輩は私なんかより何百倍も勉強家で知識も豊富なのに、日々の診療に満足してないんだと知ってとてもショックだったと同時に、自分自身がますます恥ずかしくなりました。
私は子供の頃に獣医になろうと決めた時、ちょっと隣の奥さん!的な感じでいつでも遠慮なく来てくれる病院を目指したいと思っていました。
それは今でも変わりないし、飼い主さんが気軽に話してくれることは大切なことだと思ってます。
でも単なる井戸端会議のような、ただの世間話とか、飼い主さんたちはそんなことを求めに来てくれているのではないので、最終的には飼い主さんや動物たちの思いを汲み取り、飼い主さんが求める獣医療という形にして返していかなけれはならないと改めて思いました。
飼い主さんの選択肢を1つでも多く増やしてあげるためには、経験をつみ知識をつけることが必要なんだなと痛感します。
こんな自分でよく15年も続けてこられたなぁと自分でも驚きつつ、支えてくれた両親、家族、諸先生方、そして休診日が多いにもかかわらずご理解くださっている飼い主さんたちに、改めて深く感謝いたします。
病気になりにくい暮らし方を模索し、病気なってしまった時には、続けやすく動物たちに負担にならない治療とケアを目指して、いらしてくださる飼い主さんたちと、これからも深く濃いお付き合いをさせていただけたら幸せです。