臨時休診のお知らせ
誠に勝手ながら、
10月9日(土)は臨時休診とさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解・ご協力の程よろしくお願いいたします。
これなあに?
病院の入り口のところに置いてあるこの植物。ご来院いただいた飼い主さんに時々「これは何ですか」と聞かれます。
これは石垣島で拾ってきたヤエヤマヒルギという植物で、マングローブを代表するヒルギ類の植物です。
マングローブとは熱帯地方で海水と淡水が混じる汽水領域で生息できる植物の総称です。日本ではヤエヤマヒルギ、メヒルギ、オヒルギの3種類がみられます。
バケツに刺さっている棒のようなものがヤエヤマヒルギの「タネ」です。ヒルギ類のタネは高い樹木の枝にできるので、これが地面あるいは水面に落ち、そのまま地面に刺さることもあるし、漂って発育に適した場所に漂着したら根付いて育つことができるそうです。
最初はこんな感じで棒の先からちょこっと芽がでている程度でしたが、1か月ほどたって夏の暑い日にようやく最初の写真のように葉っぱがでてきました。そのあとかれこれ2か月ほどたちますが、停滞。
ヒルギ類は育つのがとても遅いので、葉っぱが出たこのあとが長丁場です。
余談ですがバケツの左にあるのは私が大好きな風知草(ふうちそう)というイネ科の植物です。鮮やかな緑、風が吹くとそよそよと揺れる葉がなんとも癒されます。ちょっとしたことでは枯れない強靭な植物。私のような適当な人間にはとてもよく向いています。
15年くらい前になりますが、メダカやコリドラスと一緒にホームセンターで手に入れたメヒルギを育てていたことがありました。水槽の右のほうにある、双葉のような葉っぱがぴょこっと出ている植物がメヒルギです。
そこそこ育っていたのですが、植え替えようとしてこの水槽から抜いたら枯れてしまいました…。調べてみたら植え替えNGなんだそう。タネが漂流して終の棲家と場所を決めたら、もうここから離れたくない…というような感じなのでしょうか。
なので今回は将来植え替えしなくていいように、しっかり大きめのバケツに植えてみた次第です。
そもそも熱帯地方の植物なので、東京だと1年を通して外で育てるのは無理そうです。夏場はガンガンに日光にあててあげたくで外に出していましたが、平均気温が低くなってきたら室内に退避させる予定です。さすがにここにビニルハウスを作ったら大家さんに怒られちゃいそうなので…。
室内では待合室の魚たち同様、温度と湿度の管理をしてあげないとなぁ…と今から考えています。
狭い院内、どこに置きましょう(汗)。
無事に育ってくれるといいのですが。
ところでこのタネはたまたま拾いましたが、沖縄でマングローブカヤックなど観光アクティビティでヒルギのタネを拾うツアーもあるそうで、もらって帰ってくること自体は問題ないそうです。